2026.02.09
生理痛は、月経に関連して現れる下腹部の痛みで、時に吐き気や頭痛などの症状を伴います。医学的には“月経痛”と呼ばれます。主な原因は月経に伴うホルモンの作用による子宮収縮などと考えられています。
特別な原因がないものの生理痛の症状が重い場合には“機能性月経困難症”、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因で生理痛の症状が重い場合には“器質性月経困難症”と診断されます。生理痛は、機能性月経困難症では月経の初日および2日目頃の出血が多いときに強く、周期性でけいれん性の痛みとなる一方、器質性月経困難症では月経前4〜5日から月経後まで続く持続性の鈍痛のことが多いとされます。
一般的な生理痛は、鎮痛剤によって痛みを軽減することができます。低用量ピルや漢方薬も有効です。背景に別の病気が隠れている場合は、まずその原因となる病気を治すことが必要となります。日常生活に支障が出ている場合や、痛みが強くなったり長く続いたりする場合には婦人科などを受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
原因
生理痛は、経血を体外に出そうとするプロスタグランジンというホルモンが関与しています。このホルモンがはたらくと子宮が収縮しますが、このプラスタグランジンが過剰に分泌されて子宮が過度に収縮されると下腹部に痛みが生じる原因となります。
日常生活に支障をきたすほどの生理痛は“月経困難症”と呼ばれます。月経困難症には、特別な原因がなく生じる“機能性月経困難症”と、子宮の病気などが原因となる“器質性月経困難症”があります。
機能性月経困難症
機能性月経困難症では、発症の原因となる病気が特にないのが特徴で、15〜25歳ごろの若い
年齢に多いとされます。プロスタグランジン濃度が高くなっているために、子宮の収縮や子宮への血流の減少が強く引き起こされ、痛みや不快感が生じると考えられています。運動不足や月経に対する不安があることも、機能性月経困難症の原因の1つとなる可能性があります。
器質性月経困難症
器質性月経困難症は、ほかの病気が原因で生理痛が引き起こされるもので、30歳以降に起こることが多くなります。もっとも多い原因は子宮内膜症です。これは、子宮の内側を覆っている子宮内膜と呼ばれる組織が、子宮以外の場所に存在する病気です。ほかに、子宮筋腫(子宮内にできる良性の腫瘍しゅよう)や子宮腺筋症(子宮内膜の組織が子宮の壁をなす筋肉の中で増えるもの)、卵巣の病気、骨盤の炎症、先天性の病気など、さまざまな病気が原因となりえます。
症状
月経の数日前~月経後に下腹部が痛み、時に吐き気や貧血、頭痛、食欲不振、腰や脚の痛みなどを伴います。痛みは、月経の初めにピークとなり、2~3日後には治まることが多いとされています。締めつけるような痛みや鋭い痛みが生じることもあり、鈍い痛みが続くこともあります。初潮が早かった、生理が長い・重い、喫煙習慣があるなどが当てはまる場合には、症状が重くなる傾向があるといわれています。
生理痛の症状が強く日常生活に支障がある場合は、“月経困難症”と呼ばれます。適切な処方を受ければ症状を軽減できる可能性があり、また、生理痛の背景に別の病気が隠れている場合もありますので、症状が強い場合には婦人科などの医療機関を受診することが大切です。特に、普段と違う急な痛みや長く続く痛み、次第に悪化する痛み、月経以外の時期にも現れる痛み、触ると悪化する痛みなどが現れた場合には、放置せず早めに受診することが重要です。
治療
十分な睡眠と休養、定期的な運動は症状の軽減に効果があるとされています。薬物療法としては鎮痛剤が有効であり、低用量ピルや漢方薬が使用されることもあります。器質性月経困難症では、原因となっている病気を治療することが必要です。
一般的な生理痛の多くは、生理痛の原因となるプロスタグランジンを抑える効果のある鎮痛剤(非ステロイド性抗炎症薬)を服用することで痛みを軽減することができます。痛みが強くなる前、あるいは生理痛が起こるより前に服用したほうが効果的だといわれています。市販されている薬もあるため、生理が始まったら痛みが強くなるまで我慢せず、早めに鎮痛剤を服用するとよいでしょう。
低用量ピルは避妊薬としても用いられますが、生理痛の原因となるホルモン(プロスタグランジン)のはたらきを抑える作用があるため、月経困難症の治療薬として用いられるようになりました。
漢方治療
①疲れやすい
・冷え、むくみー当帰芍薬散
・冷え、皮膚乾燥ー温経湯
・気持ちが不安定ー加味逍遙散
②体力普通
・腰痛、関節痛、下半身冷えー五積散
③からだがっしり
・のぼせー桂枝茯苓丸